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年間

ある年の年間ベストをひも解いています。DJ/クリエイターが選ぶその年のベスト・ディスクに最も名前が挙がっていたのが、ロニ・サイズだったのでした(これで何年かわかりますね)。「シェア・ザ・フォール」を初めて聴いた時というのはすごく覚えていまして、さすがにリアルタイムではなく下手したら1年遅れくらいだったかもしれませんが、「もうこれは、紛うことなき最新型だ」と妙な太鼓判を押したのをよく覚えています。

 

90年代の終りの頃は、10年間を総括する特集がよく雑誌で組まれていて勉強しました。ある雑誌の、はみ出しコラムの「ドラムン・ベース」の項には、ロニ・サイズ、スクエアプッシャー、LTJブケムで御三家と書かれていました。今思うとムチャクチャなカテゴライズですし、恐らく誰もそう呼んでないです。しかしぼくは律儀にすべてを聴かなきゃ!と中古盤屋などを探したのでした。

 

その雑誌で決定的なある名前との邂逅もしました。サニーデイ・サービスの「東京」を紹介する項目で、このアートワークを手がける鬼才イラストレーターが誰なのか、まるでそのアートワークによってこれが名盤になったかのような口吻で書かれていたのです。「東京」自体は前から知っていましたが、そう言われてみるとこのジャケットはジャケット以上の「作品」というか「アート」と呼べる凄味がある。ここでひとつ音楽体験に違う地平が、確かに拓けたのでした。

 

好きな音楽を、高校や地元で誰かと共有したりはまったくできませんでした。インターネットが普及してたらまた違ったでしょうね。ぼくは好きな本や音楽を共有できる人を、10数年は探していたのです。今は(ほんとに数人ですが)見つかって、めでたしめでたしではあります。

 

若山