パンピー

高校の時の友人に会ってきました。1度目の引っ越しを手伝ってもらって以来ですので、もう4年会ってなかったことになります。すっかり丸くなっていて、「太ったな」と言うと「痩せたな」と返されてしまいました。

 

誰でもそうだとは思いますが、かつての友人というのは常日頃は遠くに感じていても、話し始めたら近くに戻ってしまうものです。昨日会ったかのように話していると色々なことがわかりました。何年か前にWebにアップしていた自作の曲を、どうやら彼は聴いていたようなのです。そこからひも解いて、自分のセクシャリティについてもおおよそ把握したのでしょう。彼は「どっちでもいい」と言いました。そしてぼくらはドラマでもBLでもないので「そりゃそうだ」と思ってこの話は終わりました。

 

今何をやっているか、という話をするとやはり間が空いていきます。懐かしい話をしました。今はワタミの信者のようになっている共通の友人の話。その友人が片思いしていた派手な女性の話。etc、etc。

 

そのなかで、今はプロのスポーツ選手になっている知り合いの話になりました。知り合い、と書いたのは彼に高校当時良い印象が無いからです。悪印象の元となった具体的な行為については書くのを省きますが、この学校はスポーツをやらない人間を「パンピー」と呼んで蔑むおかしな風潮があり、その風潮の中でいちばんイキイキとした存在でした。

 

その彼が、2年前から重い病と闘っているというのです。ぼくは何も知りませんでした。友人に写真を見せてもらいました。日々どんな体調で、どんな風に日々スポーツを続けていくべきか、というシリアスなインタビュー記事です。スキンヘッドであることを除けば、体調の悪さを感じさせる写真ではありません。しかし一目で、自分の生きた高校卒業後と、まるで違う歩みであったということを何故か判ったのでした。

 

ぼくも友人も、彼に会いに行くということは無いんだろうなと話しました。だけどやっぱり、いなくなるのはやめてほしい。自分とどこまでも関係の無いまま、良いものも悪いものも含みながら、遠くへとまだずっと、歩き続けてほしい。

 

若山